8月31日(土)に予定されていた第29節の横浜F・マリノス戦は台風の影響で中止に。今日は3週間ぶりのリーグ戦に臨む。現在ジュビロは28試合を終えて勝点28。順位は18位と苦しい位置に立たされている。だが、残留圏内の17位とは勝点4差、さらに今日対戦する柏レイソルとは勝点5差と、まだまだここから追い上げられるポイント差だ。そういう意味でも、今日のゲームはシーズンを占う重要な一戦であることは間違いない。敵地で必ず勝利を手にし、最終盤の戦いに向けて上昇していきたい。

スターティングイレブンは、GK川島永嗣、DF松原后、今季リーグ戦初スタメンとなる高畑奎汰、ハッサン ヒル、リカルド グラッサ、MF松本昌也、レオ ゴメス、中村駿、植村洋斗、FWジャーメイン良、渡邉りょう。
中断期間中の練習では、一層ハードにトレーニングを積んできた。戦術的なことはもちろんだが、改めて強度の部分にもフォーカス。ここまで主に左サイドバックのポジションを務めてきた松原は、「前節の札幌戦もそうでしたが、全体の強度、走る量などそういったところが足りない、少ないという反省点がある。そこを見つめ直してきた。残り10試合、勝点を取っていくことがマスト。今日、柏に勝てばぐっと上に行けると思っていますし、全員で強い危機感を持って練習に臨んできたので、プロとしての覚悟を示したい」と思いを語る。

柏のストロングポイントは、やはりU-23日本代表としてもパリで活躍した細谷真大、そして今季ここまで7得点を決めているマテウス サヴィオらを中心とした攻撃力の高さにある。ジュビロとしては、そこをまずは1対1でどれだけ抑えることができるか、そしてチームとして組織的に封じ込むことができるかが鍵。また、ボールを奪った瞬間にチャンスを逃さず攻撃へと転じることができるかもポイントの一つ。高い位置を取ってくることが予想される相手サイドバックの裏のスペースを積極的に狙っていくことで、チャンスを生み出していきたい。そして、積極的な姿勢を崩すこと無く戦い先制点を奪うことで試合を優位に進めていくことが理想だ。

キックオフはこのあと19:00。三協フロンテア柏スタジアム周辺の天候は晴れ。9月中旬だが、日差しが強く汗ばむ陽気だ。

――試合の総括
まず、今日も2,500人以上のサポーターにこの柏のスタジアムまで来ていただき、チームが苦しい状況の中、本当に最後まで声を出し続けてくれて我々の背中を押してくれました。そういうサポーターと共に今日勝利できたことを嬉しく思います。
試合は、中断期間や台風の影響で延期になった試合があった中、柏戦に向けて準備をしてきました。トレーニングから選手同士でしっかり話をしながら、どうしたら勝点を取れるか、選手・スタッフが突き詰めてやってくれたその成果が、今日のピッチでたくさん出たなと思っています。前半はこれまで先制されることが多かったですが、しっかり我慢しながら先制し、そして追加点を奪うことができました。後半はもちろん守るだけでなく攻撃に出ようということを選手にも伝えましたし、それを体現しようとしてくれました。ただ、柏も力のあるチームですので押し込まれる時間が長かったですが、最後まで切らすこと無く選手全員が力を振り絞って戦ってくれました。選手には本当に感謝しかありません。ただ、我々が置かれている状況は何も変わっていません。今日の勝利を次の試合に繋げることしか頭に無いので、浮かれること無く次のゲームに向かっていきたいなと思っています。

――高畑選手が今季リーグ戦初先発でした。起用の意図を教えてください
対柏というところを踏まえて、あそこのポジションから裏に抜け出す選手を、ということを考えたときに、彼のストロングだったり縦への推進力だったり、そこからの左足のクオリティ、こういうものをトレーニングマッチやトレーニングから見せてくれていたので、奎汰で行くと判断し起用しました。

――勢いを持って前半に2点取れた要因は？
柏のプレスというのはJリーグでも強度が高いと思っています。前線からハイプレスをかけてきますし、それを剥がされてもミドルサードでブロックを作ってという、そういう相手に対して我々は怖がること無くボールを動かしていこうと。そういう工夫を選手もしてくれていましたし、そういう意味では守備だけでなく今日は攻撃の面でも良さが出たと言いますか、恐れずやってくれたというのが一番だと思っています。

――無失点に抑えましたが、準備期間中に守備面で共有してきたことは？
まずは、どんな戦術よりも局面において1対1で負けないということがベースにあると思っています。トレーニングでは選手たちにも理解してもらいながら、強度高くやってもらいました。また、今度はそこからチームとしてどうボールを奪いに行くか、どこで奪うのか、奪えなかったときにどうするのか、ということは少し整理してきました。

――その成果は十分出ましたか？
もちろんエラーは起こりましたが、選手はすごくトライをしてくれました。何よりエラーが出たときに選手自らの判断でその対応をしてくれたというのは、今日のゲームにおいて大きかったかなと思っています。

――まずは今日の勝利を振り返って
自分たちのゲームプランでしっかりと試合に臨み、上手くハマったということと、一人ひとりがこの試合にかける思いをピッチで表現し、相手を上回ることができたことが大きかったと思います。

――今日は左の2列目に高畑選手が入りました。左サイドの関係性はいかがでしたか？
(高畑)奎汰も前への推進力がある選手なので、上手く左サイドで崩していけたらと思っていました。そこから良いクロスを2人で供給できれば良いなという狙いはありました。

――松原選手のクロスから2点目が生まれました。あの場面の狙いは？
相手のジエゴ選手は背後に少しウィークポイントがあることは、チームの狙いとしてあったので、自分も早いタイミングでクロスを上げてそこを突こうと思っていました。ボールは流れてしまいましたが、起点になれたのであの場面は狙い通りだったかなと思います。

――立ち上がりの戦い方で意識したことは？
やはり、相手の背後を突くことを狙いとして入りました。その中で自分たちが繋げるところは繋いで上手く時間を作ろうと。自分たちは今まで奪ったボールをなかなか繋ぐことができていなかったのですが、今日は上手く繋いで展開できた場面もあったので、そこは良かったかなと思います。

――良い攻撃の形が多く出せたのでは？
奪ったボールを前線で起点を作って、そこから展開してクロスだったり、そういう部分では自分たちの良さを見せることができたと思います。

――無失点で抑えたことについてはいかがですか？
相手がロングボールを使ったり、クロスを簡単に入れてくるチームでした。そういった攻撃に対して、ディフェンダーを中心にしっかり競り合いで勝つことができましたし、セカンドボールも上手くクリアできました。ポジショニングなども全員がさぼらずやれたことが、無失点に繋がったかなと思います。

――次が本当に大事な一戦になると思います
今日は「残り10試合、自分たちで結果は変えられる」と言って試合に入りました。まず中断明けの今日の試合に勝てたので、ここからもっともっと修正して良かった部分をベースにして、残り9試合戦っていきたいと思います。

――リーグ戦は久しぶりの出場、スタメンは今季初でした
久々の出場ですごく気持ちが入っていましたし、欲を言えばもっと攻撃で違いを出したかったですが、今日は守備の部分で与えられたタスクは少なからずできたのではないかなと思います。

――本職の左サイドバックではなく、左サイドハーフのポジションでプレーしました
左サイドハーフは本当に直前でやったのですが、後ろと前で景色も全然違い、タスクも違うので、前半はかなりキツさがありました。ただ、時間が経つに連れて慣れてきたことで、練習でも自分の良さを出せていた部分もあったので、楽しんでやれたかなと思います。

――相手の右サイドバックの関根選手とのマッチアップも良さが出ていた印象です
かなり攻撃的に来るということはスカウティングにも出ていたので、そこでは負けたくないと思っていました。

――逆サイドからのクロスにも積極的に飛び込んでいました
逆サイドからのクロスに入って行くということはすごく意識していましたし、味方も逆サイドから入って来るというのは自分でも思っていました。もっと僕もクロスを出せたら良かったのですが、自分が入っていけた部分は良かったのかなと思います。

――改めてスタメンを伝えられたときの気持ちは？
やってやろうという気持ちが大きかったです。大事な試合でチャンスを貰えたので、ここで掴まないといけないなと思っていました。

――高畑選手の特長でもある推進力が活かせたのでは？
特長を出せる部分もあったと思います。守備では戻ったり出て行ったりという、サイドバックとは少し違う守備だったのでキツかったですが、チャンスがあれば出て行くということは言われていたので、そこは良い部分が出せたと思います。

――サイドバックと違い、よりゴールに迫るプレーが求められると思います
シュートは何本か打つことができましたが、そこを決めていく力をもっと付けていかなくてはいけません。そうすればもっともっと試合に絡んでいけると思いますし、そこが自分の良さになっていけば良いなと思っています。

――大事な試合でスタメンに抜擢されましたが、今後の試合の意気込みを
どこのポジションで出場しても、攻撃のところで自分のクオリティが出せれば良いなと思いますし、今日のように押し込まれることも多いと思うので、そこで負けない、というところはもっと突き詰めてやっていかないといけないと思います。

――まずは今日の試合を振り返って
2-0の試合で、その2得点に絡めたことは良かったと思います。

――1点目のシーンは右クロスで渡邉選手のゴールをアシストしました
セットプレーをやり切ろうということはチームの約束でもあったので、どうやり切ろうかな？と思ったときに、結構相手が食い付いてきたので、振り抜けるかなというのはありました。一瞬の判断でプレーを変えたのですが、中は見ずにキーパーとディフェンスラインの間に入れたら誰かが入って来てくれるかなと思ってクロスを上げたら、(渡邉)りょうが入って来てくれました。それがすごく良い形で得点に繋がって、時間帯も良かったですし相手としてもダメージが大きかったのかなと思います。

――2点目は素晴らしいゴールを決めました
セカンドボールが今日は自分にこぼれてくることが多かったので、トラップしてシュートでも良かったのですが、自分の前にスペースがあり、運んだときにりょうが見えました。預けたらもう1回返って来るかなと思った通りに、少しごちゃごちゃっとなって自分のところに来て。あとはキーパーと1対1だったので流し込むだけでした。こういったシーンもジュビロに来てからはなかなか無かったですし、もともとああいったプレーは得意だったので、自分としても感覚が良くなってきていると感じています。

――久しぶりの完封勝利でした
危ないシーンも前半はありましたが、90分通してピッチ内ですごく声も出ていたし、今どういうプレーをしようか、という意思統一もできていたのかなと思います。0(無失点)で終えられた試合はこれで5試合だと思うのですが、こういった試合を多くしていかないといけないですし、そうすれば勝点1は絶対に拾えると思うので、そこは残り9試合で続けていきたいです。

――3週間でチームが準備してきたことは出せましたか
3週間色々ありました。試合が台風で中止になったり、そこで4日間オフを挟んだのですが、選手個人個人で考えることが多かったと思いますし、その4日間のオフのあとはピリッとした良い雰囲気で練習することができました。この試合に向かっての準備というところでは、相手がどうかは分からないですが、結果として相手を上回れたのかなと思いますし、次の9試合に繋がるような準備ができたと感じています。勝てたことは良かったですが、すぐ切り替えて次に向かっていきたいです。

――素晴らしい加入後初ゴールで先制しました。改めてゴールシーンを振り返って
(中村)駿くんから良いスピードで良いボールが上がったので、信じて走った結果得点に繋がりました。ただその後のチャンスで自分が外してしまって。そこは決め切らないとゲーム展開も厳しくなってしまうので、もっともっと追及していきたいと思います。

――先制点の場面について、中村選手がボールを持ったときはどのような判断をしましたか？
ニアに1枚しっかり走るということはチームの約束でもあるので、そこは意識していました。本当に良いボールが来たので、あとは頭で触るだけでした。自分の中でジュビロに来て初めて取れたゴールだったので、少しほっとした部分もありますが、すぐ次の試合がありますし自分たちの厳しい状況というのは何も変わっていないので、今日勝ったことを次に繋げていくためにも全員で良い準備をしていくだけだと思っています。

――立ち上がりから積極的に攻めの姿勢を出していた印象ですが、チームとしてどんなことを考えて試合に入りましたか？
ここ数試合は入りの部分で重たくなって失点をしてしまうことが続いていたので、受けるのではなくて自分たちから積極的にサッカーをしていくことが勝点に繋がると。そういうことを今日の試合では改めて全員が意識してゲームに臨んだので、立ち上がりの時間に得点が取れたことは非常に大きかったんじゃないかなと思います。

――2点目のシーンはしっかり落として繋がったゴールでした
駿君から縦パスが入って来るなと思っていましたし、上手く間に落とせば必ず駿君が来るなと。結果的に2点目に繋がったことは自分自身非常に嬉しく思っています。

――久しぶりの無失点勝利でした。前線からの守備はどのような意識でしたか？
相手の特徴として左サイドのマテウス サヴィオ選手、ジエゴ選手の攻撃といったところがありますが、非常に速い攻撃を前半繰り返されて、少し手こずった部分もありました。後半はなるべくそこに運ばせない守備を、前から僕とジャーメイン選手でしていこうというと。ただ、前半のうちにもっと自分たちで修正ができるようにしていかないといけないですし、もっと試合巧者になれるように出ている選手含めて声を掛け合って意識していきたいと思います。

――コンパクトにスライドしていく守備は、この3週間で意識してきたことですか？
そうですね。やはり守備の部分でハマらないと自分たちとしては厳しい部分があるので、走って戻ってということを繰り返さないといけません。そこは監督もすごく求めてくれていましたし、自分たちも体現しようと今日のゲームに臨みました。ただその中でも上手くいくシーンといかないシーンがあったので、そういったところをもっと改善していってチームとしての質を上げていかないといけないですし、今日勝てたからこそ次に繋げられると思うので、改善できるところをしっかり改善していきたいと思います。今日の試合でチャンスになったときも、コンパクトな陣形から奪ってしっかり繋いでショートカウンターという形でした。そうした形でできれば、自分たちの強みはもっと出ると思うので、その回数と質の両方を求めてピッチの中で表現していかないといけないと思いますし、勝っていようが負けていようがそこは求めていかないといけないところだと思うので、僕自身ももっと求めてやっていきたいと思います。

――今日はどのようなことを意識して試合に入りましたか？
まずは自分たちがこの中断期間でやってきたことを出そうということと、自分たちが後ろでボランチが落ちて3枚でボールを持ったときに、相手はあまりプレッシャーをかけてこないという分析があったので、そこを上手く使って自分たちのボールにできるようにということを意識していました。あとは、立ち上がり10分はリスクを負わずに前向きにプレーしていこうという意味では本当に良い入りができて、立ち上がりに得点も奪えたので良かったなと思います。

――攻撃にも力を注いで良いシーンを作り出していた印象です
攻撃でも何シーンか良い形がありました。ただ、守備のところでパワーを使うことが多かったので、チームとしても個人としても攻撃に厚みを持たせられるかというのは、まだまだこれからだと思います。まずはチームとして守備を大事にしているので、そこをやらせないところと、0(無失点)で抑えられたことが良かったかなと思います。

――守備では1対1のシーンが多かったと思います
左サイドのサイドバックの選手とサイドハーフの選手が、相手の鍵になってくるのは分かっていたので、そこを抑えるということと、自分が相手の10番をやらせなければ失点することは無いというところで、まず負けないということを第一にプレーしました。そこは上手くできたので良かったです。

――この勝利を次に繋げるために
まだ何も終わっていないですし、次に連勝できるかできないかはすごく鍵になっています。自分たちがやってきたことをしっかり出すことができれば簡単に負けるようなチームではないと思っているので、今日のような形を大事にやっていけたらと思っています。

――試合の総括
今日は勝点5差のジュビロさんが相手ということで、勝つことで勝点差を広げられる重要な一戦だったと思います。そういう中で、少し中断期間があったので、しっかりジュビロさんへの対策をやってきたつもりではあります。ゲームは、やはり前半の入りが少し悪く、そして失点してしまったことでゲームは難しくなってしまったのですが、今までの敗戦したゲームの内容と、今日の内容とは少し違ったかなとは思っています。我々が得点をして追い付くぞという、そういうパワーを少し感じられなかったゲームでもあると思うので、その辺りは私の力不足だと思っていますし、全員にエネルギッシュなパワーを次のゲームに向けてということと、状況が厳しいことは変わりませんが、まだ9試合あるので、しっかり勝ちに繋がる準備をしていきたいと思っています。