鈴木政一監督 就任発表記者会見

2020 10/2
チーム

10月2日(金)、鈴木政一監督 就任発表記者会見を行いました。

株式会社ジュビロ 代表取締役社長 小野勝

みなさんこんばんは。本日はお集まりいただきましてありがとうございます。フベロ監督の退任に伴い、本日より鈴木政一さんに監督として指揮を執っていただくことになりました。プレスリリースでご報告しております通り、現状非常に厳しいシーズンの中、J1にもう一度復帰するために、今最善の策をとったつもりでいます。これからも皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。

――監督交代の経緯を教えてください
我々としてもフベロ前監督にすごく期待をしておりましたし、彼の考え方や3年計画でJ1のあるポジションに行けるように今から準備していこう、というところも考えていました。元々言っていましたように、勝点80を最低でも目指していかなくてはいけない、というところに対して、どうしても今回そことの距離が離れてきたときに、このまま彼に任せるのか、それかどこかで変えるのかということを強化部と何度も打ち合わせをしながら、これは本当に究極の選択でした。最終的には折り返し地点から2つ。この2つの敗戦というのは非常に大きなポイントになりました。山形、山口での敗戦というのは非常に大きな問題になったというふうに捉えていただいて良いかと思います。

鈴木政一監督

本当に厳しい環境の中で、というのは承知の上で、私自身もジュビロで色々な部分でお世話になり、育てていただいた部分もあり、今回の監督を受けたというところです。非常にハードな試合日程で、トレーニングの時間が少ない中で改善をしていかなくてはいけない部分も数多いのですが、コーチングスタッフも選手も含めて、改善点の共有は今日ミーティングの中でしました。そうした中でも、我々はプロの集団ですので、やはり結果も含めて改善をしながら、目指すジュビロのサッカーに向けて準備ができればと思っています。

――改善点について教えてください
守備の部分でいくと、やはりボールサイドで、数的優位を作っても局面を打開されたり、あるいは数的不利な状態になってしまって突破されたり、同数でも突破されたり、という場面がいくつかありまして、そこの部分を改善していかなくてはいけません。3対1の状況でもボールを動かされてしまうと。3対1にするということは、そこで奪い切らなくてはいけません。そういうことも含めて改善しなくてはいけないし、ボールが動くたびにポジション修正を的確にする中で、できればボールサイドを同数にするというところを考えています。あとはゴール前のマーキングポジション、身体の向き、色々な部分の改善を今日のトレーニングでも意識しました。これが1回の練習で変わるかというとリスクもあるのですが、でもこれを変えていかないといけないということで、今日は特に守備を中心にトレーニングしました。

――そのためのポイントは?
基本的にはトレーニングの目的意識をしっかり持たせることです。その中で、ゲームに近いトレーニングをした方が、選手にとっては分かりやすいということがポイントだと思います。

――練習前はどんなことを選手たちに伝えましたか?
当然目指すところ、目標というのは共有をしたいと。そのためにも今チームにある問題点、改善点、これを共有しました。全てをいきなりクリアするのは難しいので、慌てずに一つひとつクリアを、優先順位を考えながらクリアをしていくと。ただし、その中でもやはり我々はプロ集団ですので、当然ゲームをやる限りは勝つという結果にこだわらなければいけない。少しでも改善しながら、より質の高いチーム作りができればと思っています。

――選手たちの反応や雰囲気はいかがでしたか?
今日の練習でやった3対1も3対2も、今まで彼らはやってきていないこともある中で、ちょっとゲーム明け休んでのトレーニングということでハードになり過ぎないかなと思い、フィジカル的には8割でプレーすれば良いよ、という話はしました。その代わり、頭を使って考えること、そういう部分での集中力を持って今日トレーニングしようという話をしたのですが、選手たちは結構ハードにやってくれました。最後のゲームも本当はもう少し時間を長く、と思っていたのですが、コンディション面を考慮して3分に変えました。やはり選手はかなり意識を持ってやってくれたので、本当に良いトレーニングだったのではないかなと思います。明日はもう少し抑えて、明後日の京都戦に向けて体力を温存しながらも良いコンディションで臨めるように準備したいと思います。

――フベロ前監督が作ってきたサッカーをどう活かしていきたいですか?
大きなサイドチェンジも含めて、僕がジュビロでお世話になった頃は、あのプレーはほとんど無かったんです。あのサイドチェンジというのはすごく効果的だと思っています。ただ、それだけだと相手も予測して読まれてしまう。そこに縦への攻撃も必要になってくると感じています。そういう部分で考えると、最近の試合なども見る中で、やはり攻撃は非常に良いリズム、テンポでサッカーをやれていたのではないかと思っています。ただやっぱり組み立てや展開のところで、もう少しボールを動かせると良いかなと。何が問題になっているかと言うと、オフの問題、サポートの問題です。ボール保持者が苦しいのに、動いていない。そこに動きのサッカーというのが必要になってくるのではないかなと思っています。

――目指すジュビロのサッカーを改めて教えてください
相手がどう守備をしようが、その守備をしっかり判断してチャンスを作るような、クリエイティブさが欲しいですし、その中でオンオフの関係の判断もプレーの精度も高めていくことによって、より効果的なシュートまで、あるいは得点までという部分でレベルが上がってくるのではないかなと。あとはもう一つ、そこに個人個人の特徴をもっと活かせたら良いかなと思っています。そのあたりがより良い判断に繋がっていく部分じゃないかなと思います。

――攻守において自分たちで主導権を握りたいという思いですか?
守備も仕掛けてボールを奪う。個人でもグループでも、極端な話チームでも。そのイメージを全体が持って、それをやれるようになると良いかなと思います。

――16年ぶりにジュビロを預かる気持ちを教えてください
今回こういう仕事をさせてもらって、家族も協力してくれるということで、何にしてもジュビロが苦しいときに頑張らなければいけないな、というのが強かったですね。

――今季の具体的な目標は?
基本的には改善です。イコール勝利、という部分で今日ミーティングでも選手に話をしました。やはり、改善をしていかなくてはいけない色々な問題があります。攻撃も守備も、変えていかなくてはいけない部分がある中でも、先ほど申し上げた通り、我々はプロ集団ということを考えると、1試合1試合で勝利というものを追求しながら、一緒に選手たちと戦っていきたいと思っています。

――クラブがあるべき姿についてはどう考えていますか?
ジュビロには今回強化本部長として入りました。そのときにも小野社長とも話していたのですが、やはり一体感がないといけないと。それを持って色々な部分で協力し合いながら、このクラブを良くしていかなくてはいけない。やはりこの部分でのコミュニケーションが無くて各部署が一生懸命頑張っても、僕は良い方向には行かないのではないかなと思います。チームもそれは一緒なのですが、選手が同じ方向を向いてサッカーをやらないと、やはりチーム力には繋がらないだろうと思っています。

――服部コーチ就任の意図は?
服部に関しては、僕は守備のスペシャリストだと思っています。今こういう課題があって、今日もファンクションをやった中で、守備に関しては服部に任せて、攻撃は西野に、という部分で、やはり選手たちが服部のアドバイス、あるいはそういうところで学んでくれて、質の高いプレーヤーになってくれたら良いかなと思っています。

――選手たちに求める姿勢について
僕も見てびっくりしたのですが、今日に関してはフィジカル的には8割くらいで頭を働かせながら、という気持ちではいました。その中でああいうトレーニングをやると選手たちが本当にアグレッシブに生き生きとやってくれたと。それを思うと、選手たちはモチベーションを持ってやってくれているなと感じています。

――同じ方向に向かってチームはひとつになれていますか?
そうですね。直接個々に話を聞いたわけではないですが、ピッチでの彼らのプレーを見ている中では、方向性を一つに出来てきているのかなと。この先色んな場面が出てきますが、そこではしっかりコミュニケーションを取りながら、一つのチームとして機能できるようにしていきたいなと。それも監督の仕事だと僕は思っています。

――京都戦に向けて
前節のゲームを見ると、攻撃のところでは良い形で出来ているので、今日もどちらかと言うと、守備の課題のトレーニングを入れ込んだ状況です。

――新潟で指揮を執っていた頃に“オフの動き”の重要性についてお話されていました
やはりオフのときにボール保持者を助けるサポート、こういったことがすごく大事になってくるのかなと。攻撃もそうですが、ルキアンや大森のドリブル突破も絶対に必要です。ただ、それだけだと守られてしまう場面もある。そこにコンビネーション、パスサッカーというものも必要になってきます。そうなると、オフの判断を共有した中で、コンビネーション良くサッカーが出来るようにしていかないといけない、というところです。サッカーは90分間でオンとオフの時間を比べたら、とんでもなくオフの時間が長いですよね。そこのところでどう見てどう判断して、どうアクションを起こすのか。90分間の中にそういった部分が数多くあるということで「オフが大事だ」という話をしたことがあります。

――過密日程の中では、改善とコンディション調整の比率がすごく難しいと思います
今日もそうだったのですが、考えることを優先的にやってもらえれば一番良いのですが、今日は初日ということもあり選手はハードにプレーしてくれているので、コンディション的には少し疲れてないかなという心配が少し僕もありました。その中で時間的な調整として5分のゲームを3分にしたのですが、やっぱり選手が意識を持っているときに与えることが一番良いと思うんですよね。コンディションも考えながら、トレーニング内容も考えながら、良い環境を選手たちにピッチで与えられたら良いかなと思っています。

――強化本部長も兼ねられている中で、高卒や大卒の選手をクラブで育てるということについて
小野社長からも色々な課題をいただいた中で、クラブのフィロソフィーも今年度中に完成させたいと。それがあることによって、3年後5年後、10年後もそれをベースに選手を育てていく、そういう部分が作れると思います。僕が来た頃は、普及は普及、育成は育成というのが少しあって、お互いに一体感を持って協力体制を持ってやりましょう、ということで今まで来ています。例えば、トップでどういう選手が欲しいのか、じゃあこの年代にこういう選手がいる、じゃあその選手をどう育てるか、というような現場のコーチングスタッフも含めてコミュニケーションをしながら選手を育てていく、ということが大事かなと思います。

――京都戦はフベロ前監督の形を踏襲した戦い方を考えていらっしゃいますか?
チームをつくる上では、僕は僕なりにフベロさんの良いところはそのまま引き継ぎながらも、改善しなければいけない部分というのは、少ない時間の中でどういう選手を組み合わせていくかによって、また変化が出てきます。そういった部分では、実際に練習で見ている中で、どう組み合わせることによってどういう変化が出るか、ということは一つの楽しみにはしています。