6/30(日)川崎戦 試合後 名波浩監督会見

2019 6/30
チーム

試合の総括は今日は無しで、出来ればDAZNさんの監督インタビューを見ていただければと思います。今日のゲームに関しては、もう勝とうが負けようがここで辞任することは決めていました。まず、チームの成績が上がっていないこと、それから同じ方向性は向いているとは思うのですが、選手たちに気持ちよくサッカーをさせてあげられていない、というところです。この1年間の成績、この1年間なので昨年の夏くらいからですが、成績をトータルしてチームとしてもサポーター、クラブとしても苦しかった時期に楽しそうにサッカーをやらせてあげられなかった、そのけじめを自分自身つけなくてはいけないなと思っています。
まず、サポーターには常日頃から背中を押していただいて、それから声援を送っていただいて、まして監督個人のチャントまで毎試合のように歌っていただいて、非常に感謝していますし、成績が伴わなかった自分自身の力の無さを痛感しています。これを真摯に受け止めたいと思いますし、それから一生懸命応援してくれている皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいだと、そう今感じています。
それから、高比良元社長、木村元社長、小野社長のクラブのトップの方々、それから加藤久元GM、服部強化本部長、彼らの協力がなければ僕自身はここで監督は出来なかったですし、こんなに長い間このクラブに携わることも出来なかったと思うので、非常に感謝しています。
それから、一番はやっぱり選手たちへの想いが非常に強いので、かけがえのない選手たち、彼らが世界に出ていくために、代表選手になるために、もちろん国内リーグで活躍するために、色々な努力をしてきましたが、力足らずで申し訳なかったなと。ただ、彼らのサッカー選手としての生活や時間はまだまだ終わらないですし、たとえJ2に落ちたとしてもこのクラブもそれから本人たちも消滅するわけではないので、真摯にサッカーと向き合いながら、それから先ほどから何度も言っている楽しくサッカーをする姿を、サポーターに見せてくれればいいなと思っています。
かいつまんで言うと以上なので、質問は時間が許す限り何個でも受けたいと思います。

――辞任を決めたのは試合前ですか?
試合前ではなく、もっと前ですが何日ということは差し控えさせていただきます。

――試合後サポーターのところに行かれていましたが、どんな話をされたのですか?
「名波来い」という声が非常に多かったですし、自分がけじめをつけるということを、サポーターの方に「コールリーダーは誰ですか?」と聞いて、拡声器を持った方が降りてきたので、「俺はこれで責任をとって辞めるけど、これからもチームを支えてやってくれ」ということを言いました。「こういう結果になったことをちゃんと受け止めてください」というお言葉を頂きました。

――選手たちには、このことをどう伝えましたか?
一言一句は覚えていないのですが、これからも前向きにやっていこうと。それから、いま言ったようなことがほとんどです。僕を慕って入ってくれたり、慕って戻ってくれた選手がいて、このクラブを2012年、2013年のようなボロボロ、バラバラなクラブから立ち直らせようという、そういう同志がどんどん集まってくれたので、そういう思いに対して、これからもそれを思い続けてほしいし、より良いクラブ、より強いクラブにできなかった申し訳なさがあるよということを伝えました。

――今の気持ちとして、やり切ったという部分があるのか、それとも心残りの部分があるのか
やり切ったなんて一切思っていないですが、自分が監督として就任させてもらってから、何事にも変えがたいサッカーの日常というか、そういう充実感がもの凄くあったので、苦しい時期ももちろんありましたけど、選手と共に、チームを良くしよう、強くしようと思えた時間は歴代ジュビロ監督の中では一番だと自負しています。補足になるかもしれないですが、これからの僕のサッカー人生はまだまだ続きますし、昨日、とあるJリーグクラブの監督に辞任することを伝えた時に「まだやるよな」と言われて、即答で「やります、前向きですよ」ということを伝えました。
これが決して失敗だとは思っていないですし、自分が成長するための素晴らしい時間だったし、このかけがえのない時間を、次またプラスアルファに変えていかないと何の意味もないと思うので、そういう気持ちで今はいます。なので、決めてからここまで一切、いや、一切泣いていなくはないな。今朝、大分と戦って昇格したJ2ラストゲームを見て、あれでちょっと泣きましたけど、それ以外は一切泣いていないので、選手と話そうが、スタッフと話そうが、社長、それから強化部と話そうがそういう気持ちですね。
もうひとつ補足していいですか?大分戦で思い出したのですが、監督を辞任するひとつの要因として、大分戦のあの感動というのはここにいる皆さんもご存知の方が多いと思いますけど、やっぱりあれ以上の感動を生み出せなかった。あれ以上感動するようなゲームをもっともっとたくさんサポーターやファンの方々に見せられていれば、こういう結末にはならなかったので、初めて使う言葉なのかもしれないですけど、悔しかったなというふうに思います。

――何よりもジュビロが大好きな名波監督だと思いますが、ジュビロへの想いを
在籍年数の長さもさることながら、自分をサッカー人として育ててくれたのはこのクラブだと思っているので、それを還元しようなんていう、そんなおこがましいことを言いながら監督に就任したわけではなくて、やっぱりサッカー人としてそれから自分が愛するクラブとして、強くしたい、良くしたいということを常に念頭に置きながら最前線で戦ってきました。なので、そういう思いでしかないかなと。そういう思いで色々な言葉がけをし、選手やスタッフと接することができたんじゃないかなと思っています。

――選手時代、そして監督時代も含めて、名波浩さんにとってジュビロ磐田とはどんな存在ですか?
今日、全てをさらけ出す、そういう試合後の対応をしようと心に思っていたので、だからいの一番にゴール裏に行って、謝罪をしましたし、次からの期待をサポーターの方に求めました。それから、全てをさらけ出すという意味では今日は家族も全員来ていたので、6歳の子や9歳の子があの姿を見てどう感じたのかと思いながらも、パパはこういう職種だよということを見せたことが、今後のサッカー人生はもとより家族の絆に繋がってくれればいいなということでしょうか。

――2014年からスタートして、初めての監督キャリアでしたが、5年間を振り返って、名波浩という監督をご自身でどう評価されますか。そしてどういう監督だったと思いますか?
チームマネジメントは非常に自分自身も自信を持っていますし、コミュニケーションというところでも、他の監督と比べると、自分が見学をさせて頂いたとか、現役の時の監督とか、代表チームの監督とか、比較対象がそれくらいしかないとしても、その辺は悪くなかったんじゃなくて、良かったと自分では思っています。ただ、昨年末に服部強化本部長や当時の木村社長にも言いましたけど、勝たせる監督ではなかったなと。そこが自分の今後の課題だなと思っています。