社長交代記者会見

2018 12/15
チーム

12月14日(金)、ヤマハスタジアムの記者会見室で「社長交代記者会見」を行いました。

代表取締役社長 木村 稔

代表取締役社長 木村 稔

こんにちは。本日の取締役会にて、私が12月31日で辞任し、1月1日付で小野勝が正式に就任ということが決定いたしましたので、ご報告申し上げます。

2015年1月中旬からジュビロで仕事をさせていただいて、正式に社長に就任したのは4月1日付でございましたけれども、丸4年間にわたって社長を務めさせていただきました。その間、ジュビロを応援いただいている多くの皆様方にも絶大なるご支援・ご声援をいただいたことを、本当に感謝申し上げたいというのが、今一番の気持ちです。本当に有難うございました。

2015年は、すべての軸足、経営判断を、J1昇格を大前提として活動しました。同時に、2016年度から2018年度に渡る、クラブとしての中期三ヶ年計画を策定いたしました。一つ目はチームをどう強化していくか、二つ目に財政基盤の確立、三つ目はホームタウン活動を通しての地域貢献。四つ目はCS(顧客満足度)の向上ということで、日頃応援いただいているファン・サポーターの皆様方に、ジュビロ磐田を応援することによって、スタジアムなどいろいろな場面で少しでもご満足いただこうと。そしてもう一つが、質の高い組織を築き上げる、リスクマネジメント、コンプライアンス、人材育成を含めて、この五つの項目で中期計画を策定して、三年間推し進めてまいりました。

チームの強化については、2015年はJ2リーグを2位で、勝点が82点、24勝10分8敗、得点72、失点43でJ1昇格を果たすことが出来たことは今でも忘れられない思い出です。
2016、2017、2018年もご存知の通り、13位、6位、そして今年は残留争い。プレーオフで残留が決まったんですけれども、怪我人も多く、なかなか結果を残すことが出来ませんでした。ただ監督、強化本部長も含めて、「怪我人が多かった」というような言い訳の言葉は誰一人発していない。今私が初めて発しています。怪我人も多く、勝ちきれない試合もあり、悔しい思いを多くの皆様方にさせてしまいました。特に第34節が終わって16位、J1参入プレーオフを戦うまでのこの1週間、一番下を向いていたのが私であって、選手・監督・コーチ・スタッフ、それとクラブの皆も、「厳しい時こそ真価が問われる」といいますけれども、とにかくクラブが一つになって次に向かって進んでくれた。結果がすべての勝負の世界とは言えど、一年間積み上げてきた成果を出すことが出来たと感じています。二つ目から五つ目までの目標についても、ある一定の目標をきっちり達成することが出来ました。

これから迎える次の2019年から2021年の新三ヶ年中期計画を、今ちょうど策定中でございます。
外部環境の大きな変化や常に競争がつきまとってきますので、競合相手の変化を見据えながら、チーム力の強化とともに、クラブとしての成長をどう目指していくか。新たな発想を持って後任の社長の小野に、リーダーとして実践をしてもらうタイミングかなと考えました。クラブとしては大型補強というふうに思っておりますので、今後とも是非よろしくお願い申し上げます。

――2015年に就任されてから、どの年が一番印象に残っていますか?
今シーズンの厳しい一週間がなければ、やっぱりJ2のあのシーズン。最終戦の大分戦、アディショナルタイムに入ったところで点を入れられて、「アー」と思った瞬間にまた逆転したというのは、4年間の中でも忘れられない瞬間だった…ですけれども、12月1日の川崎戦が終わってから8日の試合が終わるまでの一週間というのは、もう超えたのかなと。残留出来た喜びとともに、チーム、そしてスタッフも含めたクラブの一体感が、成績以上の喜びでした。名波監督が指揮を執った4年間プラス9試合での、彼の統率力とチームの一体感。ギリギリのところで人間って判断出来ると思うんですが、この1週間のチーム、クラブの一体感、それがもうこの4年間の私の総決算かなと思います。大げさな言い方をすれば、サッカー選手として入らせていただいてからの、ヤマハ発動機人生を含めた42年間の自分の総決算。生涯忘れられないと思いますね。

新代表取締役社長 小野 勝 (2019年1月1日就任)

代表取締役社長 木村 稔

皆さん初めまして、小野でございます。
私は12月から出社しているのですが、実はその前から、ずっとジュビロのサポーターとして、サポーターの皆さんと一緒に観客席で応援をしておりました。

この数年、ジュビロは木村社長がJ2の時に就任されてから、J1に上がり、しかも昨年は良い成績を収め、非常にチームとしても会社としても、一皮剥けた状態になりつつあります。今年は確かに厳しい場面はあったかと思いますけれども、私の仕事は木村前社長が引いたラインに沿って、それを推し進めていく事です。

先ほど木村も申しましたけれども、お客様、サポーターの満足を上げていくには、もちろんスタジアムの整備、インターネット・Wi-Fiの準備、情報の発信もありますが、やはり一番はチームが勝つことです。その意味では、チームの強化はまずど真ん中に置くべきですし、今は名波監督・服部強化本部長を中心にしたジュビロらしいサッカーという方向へどんどん進んでいます。私もそれをできる限りの形でバックアップしながら、トップチームだけにとどまらず、U-18、U-15といった若い世代の指導者ともどう連携しながらやっていくか。東京や大阪といった大都市にあるチームとは一味違う、静岡でしっかり根を張った、静岡らしいサッカーの完成形を目指して、地域と連携しながらより強固にバックアップしていくのが私の仕事だと思っています。

同時に、もう一つポイントに挙げているのは、どうやってサッカーファンをもっと増やすのかということ。ずっとスタジアムへ通わせてもらっていますが、新しい人たちが入ってきている印象が弱い。サッカーに対するアテンションがJリーグがスタートした時に比べると間違いなく落ちている。ジュビロが好きでたまらないコアなジュビロファン、これはもう我々の宝です。こういう人に喜んでいただきながら、一般の方々にも特に静岡というこの場所で、ジュビロを中心に地域、皆さんと協働しながら、いろいろな発信やイベントを通して、サッカーにもっともっと気持ちを向けてもらえるように、「私のジュビロ」と言っていただけるようなジュビロにしていきたいと考えております。それにはメディアの皆さんの力も必要ですし、地域との交流ももっと深くしていく必要があるでしょう。またスポンサーの方々にとっても、魅力あるジュビロを通してもっとベネフィットを提供するという姿勢で仕事を進めたいと思っております。

もう一つ、私に課せられている使命は、ジュビロをもっとうまく海外に発信していくということ。Jリーグも現在思案しておりますが、私はベトナムで社長をしておりましたので、東南アジアにフォーカスいたしますと、サッカーはキング・オブ・スポーツです。ところが、東南アジアで自国のリーグ戦というのはあまり見られていません。国際試合の時だけわぁっとナショナリズムで盛り上がるのですけれども、どちらかというとインターネットを通じて、プレミアリーグやブンデスリーガの方が非常に見られている。Jリーグの方は、時々自国のトップ選手がJリーグに入った時だけ盛り上がるんですが、恒常的に見られているリーグではありません。その中でジュビロも、Jリーグも、どうやって海外とのパイプをもっと太くしながら、スポンサーの拡大、選手の交流、Jリーグのバリューのアップをしていくか。我々はメインスポンサーがヤマハ発動機ですので、グローバルなビジネス展開には長けております。それをうまく利用しながら、自分の一つの使命として取り組んでいきたい。またサッカー全体の本当の価値をどうやって上げていくのか、というのも次の中期三ヶ年の中での一つの到達点として皆さんにお見せしたいと考えております。

Jリーグに参入して25年、今のジュビロは転換期の真っ最中です。一年だけの勝利のために有力な選手を獲得していくようなチーム作りはやるつもりはありません。勝利を追い求めながらも将来を見据え、恒常的な有力チームを作り上げる事を目指してチームそしてクラブが一丸となって進めていくという所存です。
これからもご協力とご声援よろしくお願い申し上げます。