山田大記選手 加入会見全文

2017 8/31
チーム
 

服部強化本部長

 移籍期限ぎりぎりのところですが、山田大記選手が加入することになりました。ジュビロ出身ということで、我々は海外に移籍してからも何をしているか、試合にどれくらい出ているかなど、いろいろチェックしていましたし、常に気にかけていました。

6月に山田選手がコンディション調整の意味合いも含めて、練習に参加したいと相談があったので、こちらも快く了解し、参加してもらったのですが、その時にはまだ、山田選手が海外でプレイしたいという強い気持ちを持っていることを知っていましたし、山田選手からもその想いを聞いて別れました。ただ、こちらからは別れ際に「いつでも待っている」と伝えました。

今回結果的には加入のタイミングがこの時期になってしまったんですが、後期のジュビロのレベルアップ、パワーアップのために、もっと早いタイミングで加入してもらうことを望んでいました。こちらとしては御殿場キャンプがあった頃から加入してくれたら一番良かったと思います。

ただ当時のタイミングでは、山田選手が「海外への気持ちを強く持ってジュビロに加入しても、クラブにとってプラスにならない」と考えていたので、8月いっぱい、ぎりぎりまで探して、悩んでくれとそして、自分の中でしっかりと線が引けたら、ジュビロに来てくれというような話をしていました。

最後の入団を決めた経緯については、本人の口から話すと思いますのでそれは本人に任せますが、ジュビロとして常にコンタクトを取っていた選手の加入が決まり、非常にうれしく思っています。

山田選手

 こんにちは。本日はお集まりいただきましてありがとうございます。いま、服部強化本部長からお話があった通り、この度ジュビロ磐田に戻ってプレイさせていただくことになりました。経緯についても服部強化本部長から説明があったように、ドイツに行ってからも気にかけてくださっていて、色々と連絡をいただきました。

それはただジュビロに帰ってこいよというだけではなくて、ドイツでの状況を尋ねてくれたり、試合に出ていない時に、名波監督が電話をくださったりしました。

今回も「ジュビロとして必要としている」と早い時期に話をいただいてとてもありがたかったです。

ただ、僕がジュビロを出て行かせて頂く時は、ジュビロがJ2に落ちて、厳しい状況でした。当時、クラブに残るか、海外に移籍するか本当に悩んだんですが、それでもヨーロッパへの憧れだったり、夢というのをサッカー選手として優先してヨーロッパへ渡りました。

クラブに迷惑をかけながら旅立ち、ヨーロッパで3年プレイしましたが大きな成果をおさめられたわけでもない中で、今回また温かく受け入れてもらったことはすごく嬉しかったです。しかし、決断をしてヨーロッパに旅立ったのに、パッと帰ってきてしまっていいのかという想いも同時にあって、7月中旬のタイミングでは「じゃあ戻ります」とは決断できず、結果的にはこのタイミングまで加入が遅れてしまいました。

結果的にクラブに迷惑をかけてしまったんですけど、加入がこの時期になったのは自分が決断をするのに必要なことでした。ただジュビロというクラブは、下部組織で10年、そしてプロで3年。自分を育ててくれたクラブで、すごく愛着もあるし、恩返しをしたい想いもあります。今回このように温かく受け入れてもらって、またジュビロでプレイできることをすごく嬉しく思うし、今まで育ててもらった分や、迷惑をかけた部分は、これから少しずつプレイで返していけたらなと思います。

質疑応答

――ジュビロに戻ってくる一番の決め手となったのは何でしょうか?
 今の自分の立ち位置や年齢、色んなことを考える時にジュビロに帰るのが、1番良いと最終的に考えました。ヨーロッパと国内のチームの色々なところから話をいただきましたが、「ただヨーロッパでやれればいい」という想いはなく、Jリーグだったりジュビロの今のレベルがチャレンジに値すると感じて、決めました。

――ロシアワールドカップが頭の中にはあるのでしょうか。
 もちろんそれは最大の目標にしていきたいと思っています。日本に帰った方が、海外の2部リーグより見てもらえるというのも少なからずはあります。

――今日の練習についてお伺いしたいのですが、久しぶりにジュビロの練習着を着て、大久保(グラウンド)でジュビロの選手として練習をした感想は?
 6月にも1度練習参加していたので、新鮮さはあまりなく、すんなり入れたと思います。6月に参加した時には、一緒にやっていた選手よりやっていない選手の方が多く、想像していた以上に選手が入れ替わっていたので、新しいチームに来たような、ちょっと不思議な感覚でしたが、その1週間のおかげで、今回はみんなとすぐにコミュニケーションを取れる状態だったので、すぐに入れたと思います。

――サポーターからはどんな声が?
 みなさん、「お帰りなさい」と言ってくれたので、すごく嬉しかったです。

――コンディション的には、今どのくらいのレベルですか?
 僕も正直、実践レベルでどこまで対応できるかというのはわからないです。ただ、シーズンが終了したのが3ヶ月少し前になるので、トップコンディションではありません。ただ、自分でトレーニングしたり、実践的な練習もさせてもらっていたので、それなりには動けると思います。感覚的なところと、J1レベルのフィジカルだったりスピード感というところに対応できるようにしていきます。ただ、名波監督だったり服部強化本部長にも話をさせてもらっていますが、いきなりバッと負荷をかけるということだけはしないようにというのは自分でも気を付けています。ただシーズンも終盤なので、自分としてもできるだけ早くチームの力になれるようにしたいなと思っています。

――気になる背番号は何番に?
 背番号は19番に決めました。

――それはどういったところから?
 22番をつけようかなと思ったのですが、松井大輔さんがいなくなったばかりなうえに、シーズンもまだ途中で、松井大輔さんのユニフォームを着て応援に来るジュビロサポーターの方もいるかなというのもあったので、やめました。

 19番は消去法というわけではなく、尊敬する岡田隆さん、成岡翔さん、伊野波雅彦さん、僕が子どもの頃見ていた時は高原直泰さんだったり。そういう選手がつけていた番号ということで、19番に決めました。

――1+9=10という想いは?
 それよりも見た目が10に近いな、遠くから見たら10っぽいかなと。その程度です(笑)

――好調なチームに入っていかなくてはいけない、競争に加わっていなかくてはいけないという、その辺りの意気込みは?
 チームとしてまとまりがありますし、結果も出ている中で自分がどういう風にレギュラー争いや試合に出て行けるかというのはまだ具体的にイメージできていないですが、いろんなポジションでチャンスがあるかなと思っています。とにかくコンディションをまず戻して、早くチームの力になりたいなと、頑張りたいと思います。

――一緒にプレーしたい選手はいらっしゃいますか?
 誘導尋問ですか?(笑)練習参加した時に思いましたが、中村俊輔さんは、本当に自分が一緒にやってきた選手の中でトップレベルだなと思う選手で、学べるところがたくさんあるのかなというのは1週間の練習参加でも感じたので、話をしていてもいろいろと感じることがあるし、一緒にやらせてもらうのがすごく楽しみというのと同時に、いろいろと学ばせてもらいたいなと思っています。

――改めまして、今シーズン残り10試合、サポーターへメッセージをお願いします
 ジュビロに温かく受け入れていただいて、本当にクラブに恩返ししたいし、応援してくれるサポーターの皆さんに活躍している姿を見せて、恩返し出来るように頑張りたいと思います。残り10試合、ACLもまだまだ可能性があるし、チームの目標としてそういうところに貢献できるように頑張りたいと思います。