さなぎからの脱皮
山形へ向かう新幹線の中で、このコラムを書いています。先々週はナビスコカップで仙台へと行きました。あの大震災から早くも半年。東北新幹線のダイヤも通常に戻り、被災地では復興へ向けた槌音が響いていることを実感します。ですが、失われたものの大きさは、簡単に言葉に出来るはずも無く、またすべきものではありません。被災者の方々へ心からお見舞い申し上げると共に、ジュビロとして何かお役に立てる事は無いか、車窓に流れる東北の景観を見ながら考えています。
さて、チームはここまで10勝7分10敗(9月24日J1リーグ27節まで)という結果です。前半の17節までの活躍、そして強敵との連戦が続いた8月での苦戦と、一進一退を繰り返していますが、中でも特に大きな節目となったF・マリノス戦、そしてグランパス戦での敗戦は残念でなりません。
ですが、ここからリーグは終盤に差し掛かります。2011シーズンが良い形で終われるよう、残り試合は大きく勝ち越して行きたいと思っていますので、皆様のご声援をよろしくお願い申し上げます。
ところで、今シーズンのジュビロは皆様の目にはどう映っているのでしょうか。私は大きな期待を抱かせるチームになりつつあると考えています。昨年のナビスコカップに引き続き、この夏にはスルガチャンピオンシップのタイトルを獲得しました。次の大きな目標であるACL出場へ向け、ひとつひとつステップを進み始めていると考えています。
その原動力となっているのは若手の活躍です。これは今シーズンの大きな成果といえるのではないでしょうか。前田、駒野、川口選手らのベテランと、若い選手達が見せるコンビネーションが、チームに勢いと良い影響を生み出していると言ったら身びいきでしょうか。オリンピック予選を戦う選手とワールドカップ予選を戦う選手が同じフィールドに立っているだけでも嬉しいことですが、そこに藤田、加賀選手といった中堅がからみ、さらに大卒1年目の金園、小林、山田選手らが溶け込んでいます。数々のスーパーセーブ、そして若手の躍動、大爆発。本当に見ていてワクワクします。
そうした意味でも、今年のジュビロは雌伏の時を終え飛翔へと向かう出発点だといえるのではないでしょうか。例えるならば、さなぎが脱皮して美しい蝶になるように、時期を迎えたつぼみが大輪の花を咲かすように、チームはまさに大きなエネルギーを発しています。その大きなエネルギーとともに、いよいよ飛翔の時を迎えたのではと考えています。
一方で、フロントの成果はどうでしょうか。今年フロントはふたつのプロジェクトを遂行しています。ひとつはスタジアム満員プロジェクトです。今年は東日本大震災の影響もあり、ホームゲーム開催数が減少しましたが、リーグ戦・カップ戦・合計18試合で238,000人を目標にプロジェクトを遂行してまいりました。現在の入場者の状況ですが、9月24日の新潟戦終了時点のリーグ戦13試合・カップ戦1試合・合計14試合では、172,546人、目標達成率86%となっております。リーグ戦における1試合あたりの平均入場者は前年度と比較し、103%と前年を上回っており、下げ止まりが見えてきておりますが、目標数達成とはなっておりません。
また昨年実施完了できなった項目を中心に、よりお客様の満足度を上げる為の23項目の取り組みを開始いたしました。その中で、現在の時点で完了している主な項目は、
①JR磐田駅・浜松駅周辺・構内での露出拡大→浜松駅構内に16枚におよぶ選手ポスターの掲示。浜松出身である山田選手・山本康裕選手でスタート、10月からは川口選手・駒野選手となっています
②スタジアムシャトルバスのナレーション演出→山田選手・金園選手で実施
③キッズランドの設置→子供が喜んでいただける様、新しいふわふわジュビロくん及び自分の蹴ったボールのスピードが測れるスピードガンの設置
④浜松エリアにおけるジュビロショップの構築→浜松市民の利便性向上を目的に、10月1日より新浜松駅遠鉄トラベル内でのジュビロチケット販売の開始
⑤アクセス改善および駐車場の整備→第五駐車場帰路の誘導変更により、満車時において駐車場からの退出が、前年と比べ平均30分以上の時間短縮
23項目とは別にはなりますが、今年は磐田市役所・磐田市教育委員会・ジュビロ磐田推進協議会の皆様の多大なご支援のもと、全国で初めてとなる磐田市小学校五・六年生一斉観戦事業が遂行されました。3,500名の子供の応援が、今でも私の脳裏から離れないほどインパクトがあり、大変感慨深いものとなりました。この事業については永遠に続いていけることを願っております。
そしてもうひとつが広報宣伝プロジェクトです。今期からは社内にて映像チームを立ち上げました。これは従来のメディアだけでなく、いつでもどこでもジュビロに触れていただける様、急速に拡大しつつあるスマートフォン、You Tubeなどのニューメディアへの露出拡大も見据えたものです。
SBS静岡放送のジュビロTVの開始を皮切りに、スカパーでのジュビロTVプラス、スタジアムチャンネル、ホームページでのバーチャル映像など従来にはなかった映像を駆使した展開もスタートしております。特にジュビロTVプラスは従来のCS放送に加え、10月から始まったBS多チャンネル時代をにらみ、BSスカパーでも放映となり、より多くの方が視聴可能となりました。まだご覧になっていない皆様は是非ご覧いただきたいと思います。
このように、今、ジュビロはまさにあらゆる面でさなぎからの脱皮を図っています。その根底にあるのは「感謝の気持ちを持って、チームのために、ファンサポーターのために、そして勝利のために」というものです。誠実、謙虚、ひたむきさというジュビロイズム、ジュビロマインド。一生懸命に走る選手の姿、全力で試合に臨むチームの姿。私は、そうした姿にやがて殻を破り羽ばたく美しい蝶の姿を重ね合わせずにはいられません。
サポーターの皆様は今のジュビロをどう感じておられるでしょうか。
2011年10月25日
株式会社ヤマハフットボールクラブ
代表取締役社長 吉野 博行






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